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IBD情報 > 診断と治療 小児クローン病の治療指針

回腸嚢炎の治療指針

(2016年1月改訂)

小児期クローン病の治療原則
1)
寛解導入療法および寛解維持療法は、栄養療法を中心に行う。
2)
診断時にすでに成長障害・骨年齢遅延などが認められることが少なくない。小児は心身の発達過程にあることから、二次性徴を含めた正常な成長と発達を達成することが求められる。そのため、成長曲線を活用した身長・体重の定期的なチェックや、心理的・社会的サポートが必要とされる。またステロイドは寛解維持に有用ではなく、ステロイドを漫然と投与すると成長障害の原因となる。
3)
ステロイド依存の小児でもアザチオプリン・6-MPは、ステロイド減量や離脱に有用である。さらに寛解維持にも有用である。アザチオプリン・6-MPが無効あるいは禁忌の患者ではメトトレキサート(メソトレキセート®)も選択薬の一つである。
4)
小児期クローン病の治療に際しては安全性に特別な注意が必要である。とくに生物学的製剤(インフリキシマブ(レミケード®)あるいはアダリムマブ(ヒュミラ®))の適応は慎重に判断すべきことであり、専門家へのコンサルトが勧められる。なおアザチオプリン・6-MPと生物学的製剤の併用例について特に若年男性でhepatosplenic T cell lymphomaを含む悪性腫瘍の発生が報告されており、十分に注意すべきである。
5)
薬用量は原則として体重換算で決める。
6)
寛解導入および維持に使用する薬物(下記)は、ほとんどが小児では保険適応外である。したがってその使用にあたっては、本人・家族に効果と副作用について詳しく説明して、十分な同意を得ることが望ましい。
 
小児における栄養療法の原則
 寛解導入療法は、経腸栄養剤による栄養療法が中心であり、1日の全必要エネルギー量を投与する(学童では50〜60kcal/kg/日)。成分栄養剤(ED:エレンタール®など)のみで長期間栄養療法を行う場合には経静脈的に脂肪乳剤を補う(5〜10mL/kg体重/日、週1〜2回)。寛解維持の経腸栄養療法としては、全摂取カロリーの30〜70%をEDで摂取する。長期にわたり経腸栄養療法を行う場合には、必須脂肪酸やセレンを含む微量元素の欠乏に留意する。

詳細は「小児クローン病治療ガイドライン」日本小児科学会雑誌2013;117:30-37.参照のこと。

 
小児薬用量
(1)
5-ASA製剤
 

@ペンタサ®顆粒/錠 (50〜100mg/kg/日:最大量3〜4g/日)
Aサラゾピリン®錠 (40〜100mg/kg/日:最大量4g/日)


(2)
経口・静注プレドニゾロン
  プレドニン®(1〜2mg/kg/日:最大量40〜60mg/日)

(3)
免疫調節薬
@アザチオプリン(イムラン®など) (1.0〜2.0mg/kg/日:分1)
A6-MP(ロイケリン®) (0.5〜1.0mg/kg/日:分1)
アザチオプリンは、0.5〜1.0mg/kg/日で開始し、適宜増減する(最大量2.0mg/kg/日)。6-MPはアザチオプリンの概ね半量を目安とする。
Bメトトレキサート(メソトレキセート®) (10mg/m2週1回皮下注:最大量15mg/m2、寛解後は週1回内服)。アザチオプリン・6-MPが無効あるいは禁忌の患者に対して試みる。


(4)
抗菌薬
  @フラジール® (15mg/kg/日:分2 経口)
Aシプロキサン® (20mg/kg/日:分2 経口か点滴静注、最大量400mg/日)(15歳未満の小児では禁忌とされるため、治療上の有益性を十分に考慮する必要がある)

(5)
生物学的製剤
インフリキシマブ(レミケード®)あるいはアダリムマブ(ヒュミラ®
投与方法および投与量は「小児クローン病治療ガイドライン」本文の記載を参照のこと。

 

 

出典: 小児クローン病治療指針(0.28Mb), 潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 平成28年度 改訂 (平成29年1月25日). 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(鈴木班) 平成28年度分担研究報告書. p360-361, 2017年3月

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