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クローン病術後管理治療指針

(2015年3月作成)

序文
クローン病は術後の再発リスクが高く、さらには再手術に至る場合も少なくないため、適切な術後管理を必要とする。残存病変が存在する場合には、それに対する治療が必要である。長期成績は明らかではないが、術後の再発予防あるいは術後再発に対する早期の適切な治療が、予後を改善する可能性が指摘されている。画一的な術後管理の方法は確立されていないため、症例ごとの計画的な管理が重要となる。そのためには以下の点に留意する。

  1. 再発危険度の評価
    欧米を中心に、喫煙、腸切除術の既往、広範な小腸病変、瘻孔型の症例などが再発の危険性を高める因子として挙げられている。


  2. 再発の診断
    臨床症状の評価では、術後の腸管癒着や腸管切除による影響の可能性を考慮する。術後の再発では、内視鏡的な病変の再発が臨床的な再発に先行し、その再発病変は吻合部付近に好発するため、再発リスクのある症例ではとくにこれらの点に留意する。術後再発の早期診断には、内視鏡検査や消化管造影検査を用いた病変評価が必須となるが、微小病変も多いため内視鏡検査を優先する。病変再発所見が認められた場合にはそれまでの寛解維持療法を再検討し治療の変更を考慮する。術後半年から1年を目安とした内視鏡検査は、それまでの術後管理の評価と以後の計画的な内科的治療に有用と考えられる。


  3. 術後寛解維持療法
    術後の再発予防あるいは寛解維持に対する治療は、通常の寛解維持療法に準じて行う。再発や短腸症候群への移行のリスクが高いと考えられる症例では、生物学的製剤を含めた積極的な治療を考慮する。


  4. その他
    術式は、腸管切除長、切除部位、吻合法、狭窄形成術を施行した個所の数や様式、残存病変の有無、ストーマの有無など症例ごとに異なる。また、肛門病変や術式により空置した消化管にも注意を払う必要がある。以上の点から、術後も内科と外科の連携が不可欠である。



出典:クローン病術後管理治療指針(0.13M)、潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 平成27年度 改訂版 (平成28年1月31日)、厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(鈴木班) 平成27年度分担研究報告書 p457, 2016

 

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