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診断と治療:小児潰瘍性大腸炎の治療指針

2016年1月改訂

小児期潰瘍性大腸炎の治療原則

小児潰瘍性大腸炎の治療に際しては、以下のことを配慮する必要がある。

  • 発症後、直腸炎型が全大腸炎型に進展しやすいなど、成人に比して病変の広範囲化、重症化が見られやすい。そのため成人よりも積極的な治療を必要とする場合が多い。
  • 身長・体重・二次性徴・骨年齢などの成長速度を定期的に確認する必要がある。身長・体重の評価には成長曲線が有用である。成長障害の原因となるステロイドは、寛解維持の目的には使用しない。
  • 薬用量は原則として体重換算で決める。
  • 思春期に特徴的な心理的、社会的問題が存在し、専門的カウンセリングを含めた心理的サポートを考慮する必要がある。

※劇症、難治例の治療は経験豊富な施設が推奨される。

小児薬用量

(1)5-ASA製剤

①ペンタサ®顆粒/錠
寛解導入療法:50~100mg/kg/日、最大量4.0g/日
(低用量で効果不十分な例では高用量に増量する。)
寛解維持療法:30~60mg/kg/日
②サラゾピリン®錠:40~100m/kg/日、最大量4.0g/日

(2)局所製剤

①ペンタサ®注腸:20mg/kg/日、最大量1.0g/日
②ペンタサ®坐剤:20mg/kg/日、最大量1.0g/日
③プレドネマ®注腸:1日(体重10~20kg:5~10mg, 20~40kg:10~20mg, 40kg以上:20mg)
④ステロネマ®注腸:1日(体重10~20kg:0.5~1.0mg, 20~40kg:1~2mg, 40kg以上:2mg)
⑤サラゾピリン®坐剤:1~2個/日
⑥リンデロン®坐剤:1日(体重10~20kg:0.5mg, 20~40kg:1mg, 40kg以上:1~2mg)

(3)経口・静注プレドニゾロン

軽症・中等症 0.5~1mg/kg/日,最大量40mg/日、
中等症・重症 1~2mg/kg/日,最大量60~80mg/日、
重症ではメチルプレドニゾロンのパルス療法が選択されることもある。パルス療法とは、メチルプレドニゾロン(30mg/kg/日:最大量1000mg/日)を1日1回1~2時間かけて点滴静注することを3日連続で行い、続く4日間を休薬する。
プレドニゾロンの漸減はおよそ8~10週後に断薬できるように設定するが、病状により適宜設定する。

(4)免疫調節薬

①アザチオプリン(イムラン®、アザニン®など)0.5~1.0mg/kg/日で開始し、適宜増減(最大量2.5mg/日)する。
6-MP(ロイケリン®)はアザチオプリンの概ね半量を目安とする。
②シクロスポリン点滴静注:2mg/kg/日の24時間持続静注で開始し、血中濃度は200~400ng/mLを目標とする。

出典: 小児潰瘍性大腸炎治療指針(0.64Mb), 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業 「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(鈴木班) 平成29年度総括・分担研究報告書. p65, 2018年3月